平成30年7月5日からの集中豪雨は、広島県内で大きな被害をもたらしました。江田島市においても、避難指示、通行止め、土砂災害、断水、と日常生活に大きな支障を起こし、人々を不安に陥れました。そんな中で外国人居住者と接して感じたこと。
①7月6日の夜、アメリカ人の女性から連絡がありました。
「私たち(アメリカ人2人)はどこに避難すればいいですか?」
この発言には、実は前段階がありました。
というのも、5月に行った江田島市役所危機管理課とのコラボ企画で
「避難所」という単語を彼女は知ったのです。
その時彼女は「今までそんな場所があるなんて知らなかった。何かあったら行く!」と、半分冗談まじりに言っていました。
当日、アパートのすぐ横の川の流れがだんだん早くなり、防災アナウンスもよく分からない、不安だと、彼女たちは公民館に避難しました。
後日、逃げる場所があって精神的にずいぶん助かったと言っていました。
➁7月7日ごろから市内各地で断水になりました。
給水のお知らせは、市役所HPや防災放送(屋外放送)で行われます。
私自身も、どこで、いつ、どのように「給水」されるのかなど、聞き取りにくい放送(家の場所による)を集中して聞きます。
ましてや「給水」など、外国人にはなじみのない単語(JLPTでは級外)ですし、日本人ですら耳をそばだてないと聞き逃す情報を、彼らが十分聞き取れるとは思えません。
外国人にはきちんと水がいきわたっているのか?と不安になりました。
そこで、以前コラボ企画でもお世話になった危機管理課の職員さんに
「給水」という言葉は恐らく皆わからないと思う、例えば「水を配ります」「欲しい人にあげます」などの言葉を使ってほしいという旨を伝えてもらいました。
この連絡が功を奏したのか、たまたまのタイミングだったのか、早速、分かりやすい、やさしい日本語のコーナーができたのです。
参考⇒http://www.city.etajima.hiroshima.jp/cms/articles/show/5672
危機管理課の職員さんの柔軟かつ迅速な対応に感謝!!
③9日夜、ベトナム人からスマホのメッセンジャ―に連絡がありました。
「私の家に水がぜんぜんありません😢😢😢」👈原文まま
彼女によると、8日から通常通り出勤しているとのこと。
職場の人は、彼女が給水の放送が理解できないということが分からなかいのでしょうか。
この3日間、家ではまったく水がない状態で仕事をしていた彼女のことを思うと胸がいたみました。
さっそく、例のやさしい日本語のHPを転送し、国際交流担当の職員さんの温かい対応で、彼女にも水が届きました。
④16日 別のベトナム人の女性から連絡がありました。
「何か手伝えることがあれば、仕事が終わってからしますよ。」
まとめ:
災害には様々なが「手を必要とする人」がいます。
小さい子供さんがいる人、高齢者、体の不自由な人など。
江田島に住む外国人は(多くは)見た目は若くて、自分のことは何とかできるのかもしれません。
ただ、しかし、日本語が分からないのです。情報がないのです。
情報が全くない中で、しかも外国での生活で、不安に思う気持ちは十分理解できます。
この度の災害の復旧はまだ終わっていない今、まとめられないことは多くありますが、一連の出来事から、「日本語クラブ」が外国人市民のセーフティーネットに成り得るという実証は十分できたこと、
また外国人市民の災害ボランティアへの関わり方についても現実的な課題として、今後検討していくことができるのではないかということを述べさせてもらいたいと思いました。